矯正治療で顎関節症になることはある?
皆さん、こんにちは。江南市布袋のつかもと歯科です。
矯正治療に興味はあるものの、「矯正を始めたら顎関節症になるかも」と不安を感じている患者さんもいらっしゃるかもしれません。確かに、矯正治療中に顎関節の違和感を訴えるケースは存在します。しかし、正しい知識を持ち、適切な対応をすることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。今回は、矯正治療と顎関節症の関係、そして予防のポイントについて詳しくご紹介します。
矯正治療で顎関節症になる理由
矯正治療は、歯並びや噛み合わせを整えるために、歯を少しずつ動かしていく治療です。理想的な歯並びに近づける過程で、顎関節(あごの関節)に一時的な負担がかかることがあり、これが顎関節症の症状を引き起こす要因になることがあります。
噛み合わせの変化による負担
矯正中は、歯の移動に伴って噛み合わせが日々変化していきます。噛み合わせが安定していない時期は、顎関節に通常とは異なる力がかかりやすく、これにより違和感や痛みが出ることがあります。特に、もともと軽い顎関節症の症状があった患者さんの場合、矯正による噛み合わせの変化が症状を顕在化させることもあります。
顎の可動域の変化
矯正装置を装着していると、無意識のうちに顎の動かし方に癖が出ることがあります。例えば、装置の違和感から顎をかばうような動きをすることで、左右の筋肉バランスが崩れ、顎関節にストレスがかかりやすくなることがあります。
精密な診査・診断不足
矯正治療を開始する前に、顎関節の状態や噛み合わせの分析が不十分だった場合、治療中に想定外の問題が生じる可能性もあります。もともと顎関節に異常があったにもかかわらず、これを見落としたまま治療を進めると、症状が悪化するリスクが高まります。
矯正中の顎関節症を予防する方法
矯正治療に伴う顎関節症リスクは、あらかじめ予防策を講じることで大幅に減らすことができます。ここでは、矯正中に顎関節を守るためのポイントをご紹介します。
精密検査とカウンセリングを受ける
矯正治療を始める前に、噛み合わせや顎関節の状態をしっかりとチェックすることが大切です。患者さん一人ひとりの口腔内を詳細に診査することはもちろん、必要に応じて顎関節のレントゲンやMRI検査を行うこともあります。治療前に問題点を把握しておくことで、矯正中のトラブルを未然に防ぐことができます。
無理のない治療計画を立てる
短期間で無理に歯を動かすと、顎関節や周囲の筋肉に大きな負担がかかります。患者さんの骨の状態や歯茎の健康を考慮しながら、段階的に力をかけていく治療計画を立てることが、リスク回避に役立ちます。特に成長期の子どもでは、骨の成長を考慮した慎重なアプローチが求められます。
顎に優しい生活習慣を心がける
日常生活においても、顎関節への負担を減らす工夫が大切です。たとえば、片方だけで噛む癖を避ける、硬い食べ物を控える、頬杖をつかない、といった意識が役立ちます。また、ストレスが原因で歯ぎしりや食いしばりが起きることもあるため、リラックスできる環境づくりも重要です。
違和感を放置しない
矯正中に「顎がカクカク鳴る」「口が開きにくい」「痛みがある」といった違和感を覚えた場合は、すぐに担当医に相談しましょう。早期に対応することで、症状の悪化を防ぎ、快適な矯正生活を送ることができます。
必要に応じて治療方針を見直す
もし矯正中に顎関節症の症状が明らかに現れた場合には、治療の一時中断や、矯正方法の変更を検討することもあります。患者さんの健康を最優先に考え、柔軟に対応することが大切です。
まとめ
矯正治療中に顎関節症が起こる可能性はゼロではありませんが、事前の精密検査と適切な治療計画、そして患者さん自身の生活習慣の見直しによって、リスクを大きく減らすことができます。矯正は噛み合わせや歯並びを美しく整え、将来の歯茎や顎関節の健康を守るためにも非常に有効な治療です。不安な点があれば、遠慮なくご相談ください。江南市布袋のつかもと歯科では、患者さん一人ひとりに寄り添った丁寧な診療を心がけています。