子どもの前歯の矯正はいつから?
皆さん、こんにちは。江南市布袋のつかもと歯科です。
お子さんの前歯に「すきっ歯」「出っ歯」「デコボコしている」など、気になる症状がある保護者の方は少なくありません。そこで気になるのが子どもの前歯の矯正はいつから始めるべきかという点です。今回は、子どもの前歯の歯並びの特徴と、矯正を始める最適な時期について詳しく解説します。
子どもの前歯の歯並びについて
◎成長期の前歯は一時的にすきっ歯になることも
6〜7歳ごろに前歯が永久歯へと生え替わる時期は、「すきっ歯」や「少し出っ歯に見える」状態になることがあります。これは、あごの骨がまだ成長途中であり、永久歯が大きく、周囲の歯とのバランスがとれていないためです。この段階では経過観察で問題ないケースも多く、慌てて矯正を始める必要はありません。
◎矯正が必要となる前歯の症状
ただし、次のような場合は早めの相談が望ましいです。
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・前歯が交差している(反対咬合・受け口)
下の前歯が上の歯より前に出ている状態です。放置すると下あごが成長しすぎてしまうおそれがあります。
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・前歯が大きく前に出ている(出っ歯)
指しゃぶりや口呼吸の影響で前歯が傾き、口が閉じにくくなることがあります。歯の外傷リスクも高まります。
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・歯が重なって生えている(叢生・デコボコ)
あごのスペース不足が原因です。放置すると永久歯の位置が乱れ、歯みがきもしにくく虫歯や歯茎の炎症を起こしやすくなります。
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・前歯のすき間が極端に広い(空隙歯列)
上唇小帯という筋の付着位置が高い場合や、あごの骨が大きいことが原因です。発音や見た目に影響することもあります。
このような場合、早期に歯科医院で診断を受けることで、成長に合わせた治療方針を立てることができます。
◎成長とともに改善するケースも
一部のすきっ歯や軽度のズレは、奥歯の生え替わりやあごの成長により自然に改善する場合もあります。ただし、「様子を見すぎて治療開始が遅れる」ケースも少なくありません。特に、受け口やあごのズレは早期対応が効果的なため、気になる症状があれば一度ご相談ください。
子どもの前歯の矯正を始める時期
◎一般的な目安は5〜10歳ごろ(混合歯列期)
前歯が永久歯に生え替わる6〜10歳頃は、「混合歯列期」と呼ばれる時期です。乳歯と永久歯が混在しており、あごの成長を利用した矯正が可能です。この時期に矯正を行うことで、永久歯が正しい位置に並ぶスペースを確保しやすくなり、将来的に抜歯が不要になる可能性も高まります。
◎症状別の治療開始タイミング
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受け口(反対咬合)
早ければ3〜6歳から治療を検討します。あごの成長をコントロールできる時期に始めるのが理想です。
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出っ歯(上顎前突)
5〜9歳頃、前歯が生えそろう段階で治療を始めることで、口元の突出や口呼吸の改善が期待できます。
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歯の重なり(叢生)
6〜10歳頃にあごの幅を広げる治療(拡大床など)を行い、永久歯がきれいに並ぶよう導きます。
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すきっ歯(空隙歯列)
上唇小帯の位置や骨格のバランスを見ながら、必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)などを併用します。
◎矯正装置の種類
小児矯正では、取り外し式のマウスピース型装置や拡大床(あごを広げる装置)がよく用いられます。固定式ワイヤー矯正のような強い力ではなく、成長の誘導を目的としたやさしい力で歯並びを整えるのが特徴です。
◎成長に合わせたステップ治療
子どもの矯正は「1期治療」と「2期治療」に分かれます。1期治療では、あごのバランスを整え永久歯が並ぶ環境を作ります。必要に応じて、永久歯が生えそろってから本格的な矯正(2期治療)を行うこともあります。早期に始めることで、より自然なかたちで正しい噛み合わせを誘導できます。
まとめ
子どもの前歯の矯正は、見た目の問題だけでなく、噛み合わせ・発音・呼吸にも深く関係しています。特に受け口や出っ歯などは、早期の治療が将来の骨格やお顔立ちに良い影響を与えます。つかもと歯科では、お子さんの成長段階に合わせた無理のない治療を大切にしています。「いつ始めたらいいか分からない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。お子さんの健やかな笑顔と歯の成長を、一緒に見守っていきましょう。