子どもの寝てる時の歯ぎしりは良くない?
皆さん、こんにちは。江南市布袋のつかもと歯科です。
お子さんが寝ている時、「ギリギリ…」という歯ぎしりの音に気づいて心配になった経験はありませんか。大人の歯ぎしりはストレスが原因とされることが多い一方、子どもの歯ぎしりは必ずしも悪いものではありません。しかし、一部には注意が必要なケースも存在します。本コラムでは、子どもの歯ぎしりが起こる理由と、受診を検討すべき歯ぎしりの見分け方について、医学的に正しい内容をわかりやすく解説します。
子どもが寝てる時に歯ぎしりするのはなぜ?
子どもの歯ぎしりは珍しいことではなく、成長段階に伴って一時的に起こる場合も多く見られます。ただし、その背景には複数の要因が関係しているため、適切に理解することが大切です。
乳歯から永久歯への生え変わりによるもの
子どもの歯ぎしりで最もよくみられる理由が、歯の生え変わりによるものです。乳歯と永久歯が混在する時期は噛み合わせが安定しておらず、顎や歯が位置を探るように動きます。この調整の過程で歯ぎしりが起こることがあり、ほとんどの場合は自然に治まります。痛みや歯茎の腫れがなければ、大きな心配はいりません。
顎や口周りの成長に伴う調整
子どもの顎は成長とともに形が大きく変化します。その過程で、上下の歯がぴったり噛み合う位置を探ろうとする生理的な動きが歯ぎしりとして現れることがあります。これは成長発育の一環であり、特に問題がなければ経過を見ることが多い症状です。
ストレスや緊張による影響
大人だけでなく、子どももストレスが原因で歯ぎしりが起こる場合があります。幼稚園や学校生活の変化、友人関係、環境の変化など、子どもの世界にもさまざまなストレスがあります。強い力で噛みしめる癖がある子どもでは、睡眠時の歯ぎしりに反映されることがあります。
鼻づまり・口呼吸が関連していることも
鼻づまりやアレルギーにより口呼吸が習慣化している子どもでは、睡眠時に喉や顎の筋肉が緊張しやすく、結果として歯ぎしりが生じることがあります。口呼吸はむし歯や歯周病のリスクにもつながるため、症状が続く場合は耳鼻科と連携しながら治療が必要になることもあります。
注意が必要な子どもの歯ぎしりは?
多くの歯ぎしりは一時的で問題ありませんが、中には放置せずに対処した方が良いケースもあります。以下のような場合は、早めに歯科医院でチェックを受けることをおすすめします。
歯のすり減りが強い場合
歯ぎしりの力が強いと、乳歯が大きくすり減ってしまうことがあります。特に、歯の形が大きく変わるほど削れている場合は、永久歯の噛み合わせにも影響する可能性があります。歯の表面が平らになっていたり、欠けていたりする場合は注意が必要です。
顎の痛みや開口障害がみられる場合
朝起きたときに顎が痛い、口が開けにくいといった症状がある子どもでは、歯ぎしりの力が強すぎる可能性があります。この場合、顎関節に負担がかかっていることがあるため、早めの診察が望まれます。
噛み合わせの問題が疑われる場合
出っ歯、受け口、歯並びの凸凹など、噛み合わせに問題があると歯ぎしりをしやすくなることがあります。とくに生え変わりの時期は噛み合わせが変化しやすいため、歯ぎしりが長期間続く場合は歯並びの状態をチェックすることが大切です。
睡眠トラブルを伴う歯ぎしり
歯ぎしりとともに、いびき、睡眠中の呼吸の乱れ、寝つきの悪さなどがある場合は、睡眠時無呼吸症候群などの可能性も考えられます。このようなケースでは歯科だけでなく、必要に応じて小児科や耳鼻科と連携した治療が必要になることもあります。
歯ぐきの腫れやむし歯が見られる場合
むし歯や歯茎の炎症があると、無意識のうちに歯ぎしりが強くなることがあります。
痛みがあると睡眠の質も低下しやすいため、口の中の違和感が続く場合は受診を検討してください。
まとめ
子どもの寝ている時の歯ぎしりは、成長に伴う一時的なものから、噛み合わせの問題やストレスなどが関係するものまでさまざまです。多くは自然に落ち着きますが、歯のすり減りや顎の痛み、睡眠障害を伴う場合などは、早めに受診することで問題を防ぐことができます。気になる症状がある場合は、つかもと歯科までお気軽にご相談ください。お子さんの健やかな成長とお口の健康をサポートいたします。