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歯とカルシウムの関係について

カルシウムは、骨の健康を維持する上で欠かすことができない栄養素です。成人の場合は1日当たり男性で700~800mg、女性で650mgがカルシウム摂取量の目安となっています。牛乳で例えるとコップ3杯程度です。そんなカルシウムは、歯とも密接な関連があることをご存知でしょうか?

 

歯の発育にはカルシウムが欠かせない

私たちの歯は、リン酸とカルシウムで構成されています。これは全身の骨格を担っている骨も同じです。そのため歯が正常に発育するためには適切な量のカルシウムが必要となります。大まかにいうと、乳幼児期から学童期にかけての期間で、その時期にカルシウムが不足すると、歯の発育に深刻な影響が及ぶことから十分な注意が必要です。ちなみに、大人の歯である永久歯は、6歳くらいから生え始めて、12~13歳くらいには生えそろいますが、歯茎の中に埋まっている歯根の成長・発育は少し遅れて進んで行きます。

歯が完成した後はカルシウムがいらなくなる?

永久歯が生えてきて、歯根の発育も完了したら、基本的にカルシウムは不要となります。なぜなら歯は骨と違って「代謝」が起こらないからです。骨は常に吸収と再生が繰り返されていて、数年後には今とは全く違うものに生まれ変わっているものなのです。一方、歯は一度、完成すると吸収や再生が起こりません。その状態で一生涯、使い続けることになるため、代謝という観点ではカルシウムが不要となります。ただし、歯の再石灰化にはカルシウムが必要となります。

歯の再石灰化とは?

歯の再石灰化は、酸性の刺激によって溶け出した歯質を元に戻す現象です。唾液に含まれるリン酸やカルシウムが原料となるため、カルシウムが不足するのは歯の健康維持においても良くないといえます。その際、もうひとつ重要となる物質に「フッ素」があります。フッ素は虫歯予防で有名な栄養素ですが、これには歯の再石灰化を促す作用が期待できます。間違ってはいけないのは、フッ素そのものが歯を修復するわけではない点です。あくまでフッ素は、リン酸やカルシウムで歯を修復する現象をサポートする作用が期待できるのです。ただし、厳密には歯質の中にフッ素が入り込んで「フルオロアパタイト」という特別な構造を作ることから、歯を強くすることにも寄与しているといえるでしょう。

カルシウムの不足は歯槽骨に悪影響を与える

大人になると、カルシウムが歯に与える影響は極めて少なくなりますが、歯槽骨(しそうこつ)という歯が埋まっている骨に直接的な影響を与える点に注意しなければなりません。カルシウムの摂取量が不足して歯槽骨が脆くなると、歯をしっかり支えられなくなります。歯周病を患っている方は特に注意が必要です。高齢の方は骨粗しょう症のリスクが高まる点にもご注意ください。つまり、カルシウムというのは結局、生涯を通じて歯とも何らかの関係を持ち続ける物質といえるのです。その点も踏まえた上で、食事によるカルシウムの摂取量には配慮するようにしましょう。

まとめ

今回は、歯とカルシウムの関係について、つかもと歯科が解説しました。歯とカルシウムの関係が最も深いのは、発育期です。歯のたまごである歯胚の状態から歯根までしっかりと発育するまでには、カルシウムが極めて重要な役割を果たします。歯が完成した後も歯の健康維持にはカルシウムが必要となります。もちろん、カルシウムは歯だけではなく、全身の骨の健康を維持する上でも必須の栄養素となっていますので、日頃から摂取量には気を遣うようにしてください。

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